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サンゴ礁の未来は人間による介入にかかっている

サンゴの高温耐性を高めるための現在の取り組みは、地球温暖化の進行に追いつくにはあまりにも遅すぎます。科学者たちは、工学的に進化を加速させるため、「ムーンショット級」の研究プログラムを提案しています。

文:Warren Cornwall
2026年4月8日

夢の中で恐ろしい何かに追いかけられているのに、まるでシロップの中を走っているかのように体が思うように動かず、スローモーションでしか逃げられないような悪夢の典型的な場面があります。今、多くのサンゴ研究者たちも、まさにそのような感覚を抱いているかもしれません。

研究者たちは、地球温暖化によって激化している水中の熱波に耐えられるよう、サンゴをできるだけ早く進化させる方法を模索してきました。しかし、その悪夢のように、より野心的で協調的な取り組みがなければ、現在の研究速度では温暖化に追いつくことはできないと国際的なサンゴ研究者チームが先週、『Nature Reviews Biodiversity』誌で発表した論文の中で警鐘を鳴らしました。

「現在の研究開発のペースのままで、さらに温室効果ガスの急速な排出削減が実現しなければ、サンゴ礁にとって解決策が持ち込まれるのは手遅れになってしまうだろう」と、英国ニューカッスル大学の海洋生態学者であり、論文の筆頭著者であるAdriana Humanes氏は述べています。

この新しい論文では、世界のサンゴ礁の少なくとも一部を救うために、克服しなければならない膨大な知識のギャップと、それを埋めるために必要な途方もない努力についても詳しく説明しています。研究者たちは具体的な金額には言及していないものの、その規模は、1960年代に人類を初めて月面に送り込んだ「月面着陸計画」に匹敵する、サンゴ科学版のムーンショット・プロジェクトと例えても差し支えないでしょう。

もちろん、科学者たちが何もしてこなかったわけではありません。オーストラリア、フロリダ、カリブ海、サウジアラビア、ハワイなど、世界各地のサンゴ研究拠点では、高温に強いサンゴの特徴を特定し、それらを繁殖させる方法を探る研究が進められています。

しかし今回の論文は、研究者とサンゴ礁が直面している切迫した状況を明らかにしています。2023年、地球の平均気温は、化石燃料由来の温室効果ガスが地球を温暖化させ始める前の産業革命以前と比べて、1.5℃高い水準を超えました。この状態が今後も続けば、世界のサンゴ礁の75〜90%が致命的な熱ストレスにさらされると研究者たちは報告しています。

さらに、現在の排出ペースが続き、世紀末までに気温が2.7℃上昇した場合、一部の太平洋のサンゴ礁では、現在観測される最も極端な熱波に匹敵する現象が2年ごとに発生するようになると予測しています。

サンゴは複数の形で熱の影響を受けます。最も深刻な場合、2023年のフロリダでの熱波のように、サンゴ群体は文字通り“茹で上がる”ように短期間で死滅してしまいます。より一般的なのは、過熱したサンゴのポリプ(個体)が体内に共生する藻類を放出し、白化現象(ブリーチング)を引き起こすケースです。光合成を行うこの藻類はサンゴにとって重要なエネルギー源であるため、十分な速さで再び取り込めなければ、サンゴは弱ったり死滅したりしてしまうのです。

ある意味では、この研究はトウモロコシやコメなど耐暑性のある作物の開発に似ています。しかし、サンゴははるかに複雑で、理解も進んでいません。論文では、解決策への道のりを阻む大きな知識不足が列挙されています。

私たちがサンゴと呼んでいるものは、実際には複雑な生物群集です。サンゴのポリプは群集を形成し、多くの場合、石灰質の外骨格を持っています。さらに、共生する藻類に加え、細菌やウイルスが混在しています。これらすべてが高温耐性に影響している可能性があります。しかし多くの場合、関与している生物種の全容すら把握できていないと科学者たちが指摘しています。高温耐性の遺伝的基盤も完全には解明されておらず、高温耐性の向上に伴って生じる可能性のある遺伝的リスクもわかっていません。例えば、共生生物などサンゴを構成する一部が高温耐性を獲得しても、その代償として病気にかかりやすくなる可能性があります。また、さまざまな要因が長期的にサンゴ群集の状態にどのように影響するかについても十分理解されておらず、人為的介入の結果を予測することは容易ではありません。

「サンゴの高温耐性に関する生物学的な知識の重大な不足が進展を妨げている」と、オーストラリア海洋科学研究所(AIMS)の主任サンゴ研究者Juan Ortiz氏は述べています。

こうした知識不足を埋めるため、研究者たちは、より協調的かつ継続的な研究プログラムを提案しています。その中核となるのが、さまざまな機関の科学者が長期にわたる大規模実験を共同で実施できる研究拠点ネットワークの構築です。

「大規模なフィールド研究拠点を整備することで、サンゴの種や成長段階をまたいだ学際的な共同研究が促進され、実験の規模と効率を高めることができる」と、共著者でありニューカッスル大学のサンゴ研究者、James Guest氏は指摘しています。

こうした研究拠点では、台風や熱波によって貴重なサンゴが失われないよう、特別な保護措置が必要となります。例えば、サンゴ育成施設をより深く冷たい海域に沈めるシステムや、海水を微細な霧状にして空中に散布し、太陽光を反射させることで海域を人工的に冷却する技術などが含まれる可能性があります。

「もし実験中のサンゴが異常気象によって失われれば、莫大な投資が無駄になり、研究の遅れは壊滅的なものになる」とHumanes氏は言います。

今回の論文は主要な課題と可能な解決策を提示していますが、この構想を現実のものとするために必要で重要な問いにはまだ答えられていません。研究拠点はどこに設置されるのか、費用はいくらかかるのか、そして、誰がその費用を負担するのか、といったことです。

今週、宇宙飛行士たちは月の周回飛行を行っています。それは、人類が十分な資金と献身を注げば、どれほど驚異的な技術的成果を実現できるかを示しています。サンゴ礁は地球上で最も価値ある生態系の一つであり、漁業、防災、観光などを通じて年間2.7兆ドルもの恩恵を人類にもたらしていると推定されています。しかし、サンゴ礁を救うための取り組みに、宇宙開発に匹敵するほどの資源が投入されるかどうかは、まだ分かりません。

出典:Humanes, et. al. “Accelerating coral assisted evolution to keep pace with climate change.” Nature Reviews Biodiversity. March 30, 2026.
画像:©Anthropocene Magazine, AI-generated